関東地方の北部、海のない内陸の県・栃木。北部には日光や那須の山々が連なり、南部には平野が広がります。
生産量日本一が続くいちごから、世界遺産の日光東照宮まで。栃木を代表する名産と名所を3つずつ紹介します。
栃木県の名産
いちご
1968年から生産量日本一が続く。とちおとめ、とちあいかが有名
栃木県のいちごは、1968年に生産量で初めて全国1位になり、それから50年以上にわたって日本一を守り続けています。真岡市をはじめとする県の南東部が、大きな産地です。
昭和20年代に畑での栽培が始まり、ハウス栽培などの工夫で、出荷の時期がだんだん早まりました。今では10月ごろから出荷が始まり、ピークは2月下旬から3月。6月ごろまで店頭に並びます。
品種は「女峰」「とちおとめ」と移り変わり、今の主力は、ハート形でひと粒が大きい「とちあいか」。2025年産では、県内のいちごの約8割を占めるまでになりました。大粒の「スカイベリー」も、栃木生まれの品種です。
いちごは傷みやすいので、届いたらできるだけ早く食べるのがいちばん。食べる直前にさっと洗い、へたはそのあとで取ると、水っぽくなりにくくなります。
宇都宮餃子
市内に専門店が並ぶ餃子の街。焼き・水・揚げで食べ比べ
宇都宮は「餃子の街」として知られています。旧陸軍の師団が置かれていた宇都宮で、中国大陸から戻った人たちが餃子の作り方を広めたといわれます(諸説あり)。
1990年に市の職員研修で、町おこしのテーマとして餃子が取り上げられ、1993年には市内の店が集まって「宇都宮餃子会」が発足しました。総務省の家計調査で、宇都宮市の餃子の購入額が長く全国トップクラスだったことも、知名度を後押ししました。
店ごとに皮や具の味が違い、焼き餃子だけでなく、水餃子や揚げ餃子を出す店もあります。何軒かをはしごして食べ比べるのが、宇都宮ならではの楽しみ方です。
お取り寄せの冷凍餃子は、凍ったままフライパンに並べて焼くのが基本。焼き方は商品ごとに違うので、袋の説明に合わせると、皮がパリッと仕上がります。
かんぴょう
夕顔の実を細長くむいて干したもの。国内生産のほとんどが栃木産
かんぴょうは、ウリの仲間であるユウガオの大きな実を、ひものように細長くむいて乾かした食べもの。栃木県は収穫量が全国1位で、国内産のほぼすべてを占めています。
栃木でのかんぴょう作りは、1712年に壬生藩の藩主が、今の滋賀県からユウガオの種を取り寄せたのが始まりとされます。今も、下野市を中心とする県の南部が主な産地です。
収穫は6月下旬から8月。重さ6〜8kgにもなる実から、できるかんぴょうは150〜200gほど。暑い時期に、夜中から皮むきを始めて干す、手間のかかる仕事です。
甘辛く煮て、のり巻きの芯にする「かんぴょう巻き」が定番。乾物なので保存しやすく、煮物やみそ汁の具、卵とじにしても手軽に使えます。
栃木県の名所
日光東照宮
徳川家康をまつる世界遺産。陽明門や眠り猫など、彫刻の宝庫
日光東照宮は、江戸幕府を開いた徳川家康をまつる神社。1617年に創建され、3代将軍・家光が1636年に大規模な建て替えを行って、今の豪華な姿になりました。1999年に「日光の社寺」として世界遺産に登録されています。
境内には国宝8棟、重要文化財34棟が並びます。なかでも国宝の陽明門は500を超える彫刻で飾られ、いつまで見ていても飽きないことから「日暮の門」とも呼ばれます。
左甚五郎の作と伝わる「眠り猫」や、神厩舎の「三猿(見ざる・言わざる・聞かざる)」も見逃せません。眠り猫の先の石段を207段上ると、家康の墓所がある奥宮にたどり着きます。
冬は拝観できる時間が短くなります。紅葉の時期の週末は周辺の道路が混みやすいので、電車とバスで向かうのがおすすめです。
華厳の滝
中禅寺湖の水が97mを一気に落ちる、奥日光の名瀑
華厳の滝は、中禅寺湖から流れ出た水が、高さ97mの岩壁を一気に流れ落ちる滝。茨城の袋田の滝、和歌山の那智の滝と並ぶ「日本三名瀑」のひとつです。
有料のエレベーターで約100m下った観瀑台からは、滝つぼに落ちる水を正面から見上げられます。響きわたる水の音と、舞い上がるしぶきは圧巻です。無料の観瀑台からも、滝の全体を眺められます。
紅葉は例年10月中旬から11月上旬。奥日光は日光の街より標高が高いため、紅葉が早く始まります。紅葉の時期は、いろは坂がとても混むので、時間に余裕をもって出かけましょう。
滝の水量は、中禅寺湖の水位によって変わります。エレベーターの運行時間は季節によって違うので、事前に確認しておくと安心です。
あしかがフラワーパーク
600畳敷の大藤棚が広がる花の名所。冬はイルミネーションも
足利市にある花のテーマパーク。いちばんの見どころは、棚いっぱいに枝を広げた大藤で、その広さは600畳敷にもなります。大藤、白藤、八重黒龍藤は、栃木県の天然記念物に指定されています。
大藤の見頃は、例年4月下旬から5月上旬。園内には350本を超える藤があり、時期をずらして咲く藤の花を、4月中旬から5月中旬ごろまで楽しめます。
冬は、園内が光で彩られるイルミネーションの舞台になり、例年10月中旬から2月中旬ごろまで開かれます。
入園料や開園時間は、花の咲き具合によって変わり、当日の朝に決まります。藤の時期の週末は特に混み合うので、駅から歩いてすぐの電車で向かうのが便利です。
日光東照宮と華厳の滝は、バスを乗り継いで1日で回れる距離。あしかがフラワーパークは県の南西部にあります。家で栃木を味わうなら、宇都宮餃子を焼いて、デザートにいちごを並べるだけで、栃木の食卓のできあがりです。
豪華な社殿と滝、藤の花、そして冬のいちご。栃木は、四季それぞれに足を運びたくなる土地です。