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関東地方

埼玉県

お茶とねぎとせんべい、蔵の町と秩父の山

東京都の北に接する埼玉県。県の東部には平野が広がり、西部の秩父地方には山々と渓谷の景色が広がっています。

江戸時代から続く狭山茶から、蔵造りの町並みが残る川越まで。都心から気軽に出かけられる、埼玉を代表する名産と名所を3つずつ紹介します。

数字で見る埼玉県

面積

39位/47

3,797.75km²

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人口

5位/47

733.2万人

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面積:国土地理院「全国都道府県市区町村別面積調」2026年7月1日現在(境界未定地域を含むため参考値)
人口:総務省統計局「人口推計」2024年10月1日現在(千人単位)

埼玉県の名産

狭山茶

仕上げの「狭山火入れ」で生まれる、甘く濃厚な味わいのお茶

  • 旬新茶は5月ごろ(一番茶)

狭山茶は、入間市、所沢市、狭山市を中心とする埼玉県西部で作られるお茶。鎌倉時代に僧の明恵上人が、河越(今の川越)の地に茶を植えたのが始まりとされます。

産業として本格的に広まったのは江戸時代の後期で、宇治の製茶法が取り入れられてから。明治時代のはじめに、今の入間市に「狭山会社」がつくられたころから、狭山茶の名が使われるようになりました。

狭山は、主なお茶の産地のなかでいちばん北にあり、茶摘みは一番茶(5月)と二番茶(7月)の年2回。仕上げに強めの火を入れる「狭山火入れ」によって、甘く濃厚な味わいが生まれます。

「色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす」という茶摘み歌の一節が伝わるほど、味に定評のあるお茶です。少しぬるめのお湯でいれると、うまみと甘みをじっくり味わえます。

深谷ねぎ

利根川が運んだ肥えた土で育つ。白い部分が長く、冬に甘みが増す

  • 旬冬(12月〜3月ごろ)

埼玉県はねぎの収穫量が全国2位(農林水産省の資料、2024年産)。その代表が、深谷市を中心に作られる深谷ねぎです。

深谷のあたりでは、明治時代に藍の代わりとしてねぎ作りが広がりました。大正時代に鉄道で東京などへ出荷されるようになり、「深谷ねぎ」の名が広く知られるようになりました。

利根川の氾濫が運んだ肥えた土が、ねぎ作りに向いているといわれます。白い部分が長い「根深ねぎ」で、やわらかく、冬の寒さに当たると甘みが増します。旬は12月から3月ごろです。

太めに切って網やフライパンでじっくり焼くと、外は香ばしく、中はとろりと甘くなります。鍋やすき焼きの具にするのもおすすめです。

草加せんべい

日光街道の宿場町で育った、しょうゆ味の香ばしい堅焼き

  • 旬通年

草加市は、江戸時代に日光街道の宿場町として栄えた町。余った米を団子にして干した保存食が、草加せんべいの始まりとされます。

はじめは塩味でしたが、江戸時代の中ごろから、しょうゆを塗って焼くようになったといわれます。大正時代に天皇へ献上されたことをきっかけに、全国に知られる名物になりました。

起源については、団子屋の「おせんさん」の話がよく知られていますが、後の時代に作られた物語ともいわれ、はっきりとはわかっていません。

うるち米の生地を「押し瓦」で平らに押しながら焼き、熱いうちにしょうゆだれを塗るのが伝統の作り方。パリッとした歯ごたえと、しょうゆの焦げた香りが魅力です。開封後は湿気やすいので、袋の口をしっかり閉じて保存しましょう。

埼玉県の名所

川越の町並み

明治の大火のあとに建った蔵造りが並ぶ「小江戸」。時の鐘が目印

  • 行き方JR・東武東上線の川越駅からバスで約10分、「一番街」バス停からすぐ。西武新宿線・本川越駅からは徒歩約20分
  • 季節通年

川越は、江戸時代に城下町として栄え、「小江戸」とも呼ばれる町。一番街の通りを中心に、黒い漆喰の壁と重厚な屋根をもつ蔵造りの建物が並びます。

今の町並みができたのは、1893年(明治26年)の大火のあと。火事に強い蔵造りで店を建て直したことで、現在の景観が生まれました。一帯は、国の重要伝統的建造物群保存地区に選ばれています。

町のシンボルは、蔵造りの町並みの中に立つ「時の鐘」。江戸時代の寛永年間に建てられたのが始まりで、今の鐘楼は4代目といわれます。毎日6時、正午、15時、18時の4回、鐘の音が町に響きます。

通り沿いには和菓子や雑貨の店が軒を連ね、食べ歩きも楽しみのひとつ。週末は人出が多いので、朝早めの時間がゆっくり歩けておすすめです。

長瀞

荒川沿いに岩畳が広がる景勝地。舟で川を下るライン下りが人気

  • 行き方秩父鉄道・長瀞駅から岩畳まで徒歩約5分
  • 季節春〜秋(ライン下りは例年3月〜12月上旬ごろ、紅葉は11月)

長瀞は、荒川の流れが削り出した渓谷の景勝地。川沿いには、平らな岩が畳を敷きつめたように広がる「岩畳」があり、長瀞は国の名勝・天然記念物に指定されています。

岩畳は、地下深くでできた岩石が地表に現れたもので、「地球の窓」とも呼ばれます。長瀞は「日本地質学発祥の地」ともいわれ、地学を学ぶ人たちが昔から多く訪れてきました。

人気は、船頭さんが操る舟で川を下る「ライン下り」。例年3月から12月上旬ごろまで運航し、岩畳や渓谷の景色を川面から間近に眺められます。冬にはこたつ舟が出る期間もあります。川の水位によっては運休することもあります。

秋は町全体で紅葉まつりが開かれ、例年11月に見頃を迎えます。岩畳の上はごつごつして滑りやすいので、歩きやすい靴で出かけましょう。

三峯神社

秩父の山上に鎮座する古社。狼を神の使いとしてまつる

  • 行き方西武秩父駅からバスで約1時間20分〜1時間30分
  • 季節通年(冬は山道の凍結に注意)

三峯神社は、秩父の山の上、標高約1,100mの場所にある神社。日本武尊が伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉册尊(いざなみのみこと)をまつったのが始まりと伝わります。

日本武尊を道案内した狼が、神の使いになったともいわれ、今も「お犬様」として大切にされています。境内では、狛犬の代わりに狼の像が参拝者を迎えます。

江戸時代の中ごろから、お犬様への信仰が広まり、多くの人が参拝に訪れるようになりました。境内には推定樹齢800年を超えるご神木もあり、深い森に囲まれた静かな空気を感じられます。

山の上にあるため平地より気温が低く、冬は道路が凍ることも。車で行く場合は、冬用タイヤなどの準備をしておきましょう。

川越へは都心から電車で、長瀞と三峯神社へは秩父方面の電車とバスで向かえます。秩父で1泊して、長瀞のライン下りと三峯神社をゆっくり巡るのもおすすめです。家では、深谷ねぎを焼いて、食後に狭山茶と草加せんべいで一服すれば、埼玉の味がそろいます。

蔵の町並みに、川と山の景色。埼玉は、都心のすぐそばで、ひと味違う旅ができる土地です。

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参考にした情報