三方を海に囲まれ、関東平野の南東部に広がる千葉県。太平洋と東京湾の豊かな海、そして都心に近い畑で、さまざまな食材が育ちます。
収穫量全国1位の落花生と梨から、房総の海を見渡す鋸山まで。千葉を代表する名産と名所を3つずつ紹介します。
千葉県の名産
落花生
国内の収穫量の8割以上が千葉産。八街市などで育つ
千葉県の落花生の収穫量は全国1位。農林水産省の資料(2025年産)では、国内の8割以上を千葉県が占めています。八街市や佐倉市、富里市などが主な産地です。
千葉県で落花生が作られ始めたのは、1876年(明治9年)。今の山武市で試作されたのが県内で最初とされ、2026年はちょうど150年目にあたります。
代表的な品種は、県内の作付けの半分以上を占める「千葉半立(はんだち)」。ほかに、ゆで落花生に向く大粒の「おおまさり」や、渋皮が薄い「Qなっつ」などもあります。
収穫期の秋には、生の落花生を殻ごとゆでた「ゆで落花生」も楽しめます。煎った落花生は、渋皮ごと食べるのがおすすめ。殻をむいたら密閉容器に入れ、冷蔵庫で保存しましょう。
梨
収穫量全国1位。幸水、豊水と品種をつなぎ、夏から秋まで
千葉県は日本なしの収穫量が全国1位(農林水産省の資料、2024年産)。産地は東京に近い県の北西部に多く、市川市や白井市、鎌ケ谷市、船橋市の梨はよく知られています。
梨づくりの歴史は古く、江戸時代の1769年ごろに、八幡(今の市川市)で栽培が広まったとされます。明治時代には、松戸市で「二十世紀」が見つかりました。
収穫は、7月下旬からの「幸水」に始まり、8月下旬からの「豊水」、9月の「あきづき」や「新高」へと、リレーのように続きます。時期をずらして、品種ごとの味わいを食べ比べるのも楽しみです。
夏に採れる梨は日持ちが短いので、届いたらすぐに箱を開けて冷蔵庫へ。食べる少し前に冷やすと、しゃりっとした食感とみずみずしさが際立ちます。
伊勢えび
漁獲量全国1位。外房の岩場で、夏の解禁を待ってとれる
千葉県は伊勢えびの漁獲量が全国1位(農林水産省の資料、2024年)。勝浦市や御宿町、いすみ市など、外房の岩場の多い海でとれます。
資源を守るため、千葉県では毎年6月1日から7月31日までが禁漁期間で、8月1日に漁が解禁されます。夕方に網を仕掛けて翌朝早くに引き上げる漁で、鮮度を保つため、夜明け前から作業が始まります。
勝浦市からいすみ市にかけてとれる、全長13cmを超える伊勢えびは「外房イセエビ」として、千葉県のブランド水産物に認定されています。
殻ごと焼いたり、みそ汁にしたりと、豪快に味わえるのが伊勢えびの魅力。外房では、伊勢えびを味わうお祭りも開かれます。お取り寄せには活きたまま届くものと冷凍のものがあるので、受け取れる日に合わせて選びましょう。
千葉県の名所
成田山新勝寺
940年に開かれた、成田のお不動さま。三重塔などが重要文化財
成田山新勝寺は、940年(天慶3年)に開かれた寺。平将門の乱をしずめるため、寛朝大僧正が不動明王の前で祈りをささげたのが始まりです。
本尊の不動明王は、弘法大師(空海)が彫ったと伝わる像。「成田のお不動さま」として親しまれ、毎年の初詣には多くの人が訪れます。
境内は約23万平方mと広く、1712年に建てられた三重塔をはじめ、仁王門や光明堂などが国の重要文化財に指定されています。色鮮やかな彫刻で飾られた三重塔は、境内の見どころのひとつです。
駅から寺までの表参道には古くからの店が並び、名物のうなぎ料理の店も多くあります。参拝のあとに参道を歩くのも楽しみです。
鋸山
石切り場の跡が残る山。山頂の「地獄のぞき」から東京湾を一望
鋸山は、房総半島の南西部、東京湾に面した標高329mの山。建築用の石材「房州石」を切り出していたため、山の姿がのこぎりの歯のようにぎざぎざに見えることから、その名がつきました。
山の中腹から頂上にかけては、725年に開かれたと伝わる日本寺の境内。江戸時代に27人の弟子とともに3年かけて彫られた大仏や、石切り場の跡の岩壁に彫られた百尺観音など、見どころが点在します。
いちばん人気は、切り立った崖の上に突き出た岩場「地獄のぞき」。足がすくむような高さから、東京湾や房総の山々、晴れた日には富士山まで見渡せます。
日本寺の拝観時間は9時〜16時。石段が多いので、歩きやすい靴で出かけましょう。登山道の一部が通行止めになっていることもあるので、事前に確認しておくと安心です。
犬吠埼
太平洋に突き出た岬。明治7年に灯った白い灯台に登れる
犬吠埼は、銚子市の東の端で太平洋に突き出た岬。岬に立つ白い犬吠埼灯台は、1874年(明治7年)に初めて明かりがともされた、歴史ある灯台です。
建てたのは、イギリス人技師のR.H.ブラントン。高さは31mで、99段のらせん階段を上れば、灯台の上から太平洋を見渡せます。2020年には国の重要文化財に指定されました。
犬吠埼は、山の頂上と離島を除くと、日本でいちばん早く初日の出が見られる場所とされ、元日の朝は多くの人でにぎわいます。
灯台のまわりの海岸には遊歩道があり、荒々しい岩と白い波を間近に眺められます。銚子漁港も近いので、新鮮な魚料理とあわせて楽しむのもおすすめです。
成田山新勝寺は成田空港からも近く、鋸山へは電車や東京湾フェリーで、犬吠埼へは銚子電鉄で向かえます。家で千葉を味わうなら、秋に落花生と梨を取り寄せて、季節の食べ比べをするのもおすすめです。
畑の恵みと海の幸、そして海を見渡す岬と山。千葉は、海と大地の両方を味わいに出かけたくなる土地です。