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中国地方

山口県

ふくの町と、カルストと城下町

本州の西の端にあり、三方を海に囲まれた山口県。幕末から明治にかけて、多くの志士を生んだ歴史の舞台でもあります。

下関の「ふく」から、木造のアーチ橋・錦帯橋まで。山口を代表する名産と名所を3つずつ紹介します。

数字で見る山口県

面積

23位/47

6,112.89km²

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人口

28位/47

128.1万人

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面積:国土地理院「全国都道府県市区町村別面積調」2026年7月1日現在
人口:総務省統計局「人口推計」2024年10月1日現在(千人単位)

山口県の名産

ふぐ

下関では「ふく」と呼ぶ縁起物。とらふぐの薄造りやふぐちりが名物

  • 旬秋〜春(「ふくは彼岸から彼岸まで」)

下関では、ふぐを「ふく」と呼びます。「福」に通じる縁起のよい呼び名とされ、ふぐ料理はお祝いの席にも欠かせません。

下関市の南風泊市場は、とらふぐの取扱量が日本一とされる、ふぐ専門の市場。この市場に生きたまま入ったとらふぐは、「下関ふく」として国の地理的表示(GI)に登録されています。

ふぐを食べることは豊臣秀吉の時代に禁じられ、明治時代に伊藤博文がきっかけとなって解禁されたと伝わります。下関には「ふくは彼岸から彼岸まで」という言葉があり、秋から春にかけてが旬とされます。

薄く引いた刺身や、ふぐちり、締めの雑炊がおすすめ。ふぐの毒は加熱しても消えないので、自分でさばくのは絶対にやめ、資格をもつ人が処理したものを選びましょう。

瓦そば

熱した瓦に茶そばや牛肉、錦糸卵をのせた、川棚温泉生まれの料理

  • 旬通年

瓦そばは、熱した瓦の上に茶そばをのせ、錦糸卵や牛肉、ねぎなどを盛りつけて、温かいつゆにつけて食べる料理。下関市豊浦町の川棚温泉で生まれました。

西南戦争のときに、兵士が瓦で肉や野草を焼いて食べたという話をヒントに、1961年に考え出されたといわれます。今では、山口県内の多くの場所で食べられています。

熱い瓦に触れたそばは、下はカリカリ、上はもちもち。レモンやもみじおろしを添え、途中で味を変えながら楽しめます。

家では、ホットプレートやフライパンで作れます。お取り寄せの茶そばとつゆのセットを使えば、焼き目をつけたそばで、瓦そば気分を味わえます。

夏みかん

萩の武家屋敷の土塀からのぞく、さわやかな酸味の柑橘

  • 旬花は5月上旬〜中旬。加工品は通年

萩の夏みかんは、1876年に旧萩藩士の小幡高政が、仕事を失った武士たちを救うために苗木を配ったのが栽培の始まりです。

夏みかんは萩の主要な産業となり、1900年前後には、その生産額が当時の萩町の年間予算の8倍にもなったといわれます。

武家屋敷の跡が夏みかんの畑として使われ続けたことで、昔の屋敷の区割りや土塀が残り、今の美しい町並みにつながりました。5月上旬から中旬には白い花が咲き、町が甘い香りに包まれます。この香りは、環境省の「かおり風景100選」にも選ばれています。

さわやかな酸味とほろ苦さが魅力で、マーマレードや砂糖漬け、ジュースなどにも加工されています。加工品なら一年中、萩の味を取り寄せられます。

山口県の名所

秋芳洞

秋吉台の地下に広がる国内最大級の鍾乳洞。洞内は一年中17℃

  • 行き方JR新山口駅からバスで約40分、秋芳洞バス停から徒歩約10分
  • 季節通年(秋吉台の山焼きは例年早春)

秋芳洞は、カルスト台地・秋吉台の地下約100mに広がる鍾乳洞。総延長は10kmを超える国内最大級の規模で、そのうち約1kmを観光コースとして歩けます。

秋吉台と秋芳洞は、どちらも国の特別天然記念物。もとになった石灰岩は、約3億4000万〜2億6000万年前に赤道近くの海でできたサンゴ礁だといわれます。2026年4月には、美祢市全域が「Mine秋吉台ジオパーク」として、ユネスコ世界ジオパークに認定されました。

洞内には、棚田のような「百枚皿」や、黄金色の石柱「黄金柱」など、自然がつくった造形が続きます。洞内は一年中17℃ほどで、夏は涼しく、冬は暖かく感じられます。

地上の秋吉台では、例年早春に草原を焼く「山焼き」が行われます。洞の入口は3か所あるので、帰りのバスの乗り場を確かめてから歩きましょう。

錦帯橋

5つのアーチが連なる木造の橋。江戸時代から架け替えて守られる

  • 行き方JR岩国駅からバスで約20分
  • 季節通年(春は桜の名所)

錦帯橋は、岩国市の錦川に架かる、5つのアーチが連なる木造の橋。1673年に初めて架けられ、国の名勝に指定されています。

架けた翌年に洪水で流されましたが、すぐに再建されました。1950年には台風で流失し、1953年に再建。2001年から2004年にかけて、平成の架け替えが行われました。

部材は金具でまとめる独自の工法で組まれ、江戸時代からの図面などをもとに、橋を守る職人たちが技術を受け継いでいます。今、世界遺産への登録を目指しています。

橋は24時間渡ることができます。春は川沿いの桜とともに、ひときわ美しい景色が広がります。

萩城下町

土塀越しに夏みかんがのぞく武家屋敷の町並み。世界遺産の一部

  • 行き方萩市内の循環バス「まぁーるバス」で萩博物館前下車すぐ
  • 季節通年(夏みかんの花は5月上旬〜中旬)

萩城下町は、毛利氏が萩城を築いたときに町割りが始まった城下町。2015年に「明治日本の産業革命遺産」の一部として世界遺産に登録されました。

旧萩城の三の丸にあたる堀内地区と、外堀の南側の平安古地区は、武家屋敷の町並みが残る地区として、1976年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選ばれています。

長屋門や土塀が続く通りでは、土塀越しに夏みかんの木がのぞきます。江戸時代の屋敷の区割りがそのまま残る町を、のんびり歩いて巡るのがおすすめです。

萩は、幕末に多くの志士を育てた土地としても知られます。吉田松陰の松下村塾など、ゆかりの史跡とあわせて巡る旅も楽しめます。

秋芳洞へは新山口駅から、錦帯橋へは岩国駅からバスで、萩へは日本海側へ向かいます。家で山口を味わうなら、冬はふく料理、瓦そばはホットプレートで焼いて、夏みかんのお菓子を添えれば、山口の味がそろいます。

地下に広がる不思議な世界、木の橋の美しいアーチ、夏みかんの香る城下町。山口は、歴史と自然をめぐる旅に出かけたくなる土地です。

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参考にした情報