地図にもどる

九州・沖縄地方

大分県

湯けむりの町と、潮にもまれた魚

九州の北東部にあり、瀬戸内海と豊後水道に面した大分県。源泉の数も湧き出る湯の量も全国でいちばん多い、温泉の県です。豊後水道の速い潮が育てる魚も、全国に知られています。

ブランド魚の関あじ・関さばから、湯けむりの別府まで。大分を代表する名産と名所を3つずつ紹介します。

数字で見る大分県

面積

22位/47

6,339.91km²

ランキングで見る

人口

34位/47

108.5万人

ランキングで見る

面積:国土地理院「全国都道府県市区町村別面積調」2026年7月1日現在(境界未定地域を含むため参考値)
人口:総務省統計局「人口推計」2024年10月1日現在(千人単位)

大分県の名産

関あじ・関さば

速い潮にもまれて身が締まる、佐賀関の一本釣りのあじとさば

  • 旬通年

関あじ・関さばは、大分市の佐賀関で水揚げされるマアジとマサバのブランド名。大分県漁協佐賀関支店の組合員が一本釣りでとったものだけが、この名前で出荷されます。「関あじ」「関さば」は、地域団体商標にも登録されています。

漁場は、佐賀関半島と愛媛県の佐田岬の間にある「速吸の瀬戸」。潮の流れがとても速く、そこで育つ魚は身がよく締まるといわれます。

釣った魚は生きたまま持ち帰り、魚に触らずに目で重さを見きわめて買い取る「面買い(つらがい)」という独特の方法で取引されます。魚を傷めないための工夫です。出荷のときには、専用のタグシールが付けられます。

いちばんのおすすめは刺身。関あじは金色がかった体、関さばは大ぶりの体が特徴です。取り寄せるときは、タグシールが付いた正規品を選び、届いたら新鮮なうちに味わいましょう。

かぼす

収穫量全国1位。焼き魚や鍋をきりっと引き立てる香酸かんきつ

  • 旬露地ものは例年8月中旬〜10月(ハウス・貯蔵ものでほぼ一年中)

大分県は、かぼすの収穫量が全国1位(農林水産省の資料、2023年)。全国の6,614tのうち6,500tを大分県が占めます。「大分かぼす」は、2017年に国の地理的表示(GI)に登録されました。

臼杵市には、江戸時代に医師が京都から苗木を持ち帰ったのが始まりという言い伝えがあります(種だったという説もあり)。昭和40年代に県が栽培をすすめ、今の産地になりました。

露地ものの旬は8月中旬から10月で、果汁の量も質もいちばんよい時期。毎年8月中旬には「旬入り宣言」が行われます。貯蔵ものやハウスものもあり、緑色のかぼすがほぼ一年中出回ります。

横半分に切ってからくし形に切り、切り口を上にして搾ると、果汁がよく出ます。焼き魚や揚げ物、鍋にぴったり。ポリ袋に入れて冷蔵すれば約2週間もちます。果汁を製氷皿で凍らせておくのも便利です。

とり天

下味をつけた鶏肉を天ぷらに。からしを溶いた酢じょうゆで

  • 旬通年

とり天は、下味をつけた鶏肉に天ぷらの衣をつけて揚げた料理。大分県の全域で親しまれ、農林水産省の「うちの郷土料理」でも紹介されています。

昭和の初めに別府市のレストランで、骨付きの唐揚げは食べにくいだろうと、骨のないもも肉を小さく切って天ぷら風に揚げたのが始まりとされます。

鶏のもも肉やむね肉に、しょうゆやにんにくで下味をつけるのが一般的。練りからしを溶いた酢じょうゆにつけて食べるのが定番で、ポン酢やかぼすを搾ることも多いです。大分市は、1世帯あたりの鶏肉の消費量が、県庁所在市と政令指定都市の中で1位になったこともあります(総務省の調査、2019年)。

衣がふんわりしているので、揚げたてはもちろん、冷めてもおいしいのがうれしいところ。家で作るなら、かぼすを搾って大分らしく味わいましょう。

大分県の名所

別府温泉

湯けむりが立ちのぼる温泉の町。名勝の地獄めぐりも人気

  • 行き方JR別府駅からバスで約20分(地獄めぐりの「海地獄前」まで)
  • 季節通年

大分県は、源泉の数も湧き出る湯の量も全国で最も多い県です(環境省の調査、2024年3月末時点)。その中心が別府温泉。町のあちこちから湯けむりが立ちのぼる景色は、別府ならではです。

別府の名物は「地獄めぐり」。熱い湯や泥、蒸気が噴き出す場所は、昔から「地獄」と呼ばれてきました。そのうち、血の池地獄・海地獄・龍巻地獄・白池地獄の4つは、2009年に「別府の地獄」として国の名勝に指定されています。

コバルトブルーの海地獄、赤い湯の血の池地獄、一定の間隔で湯を噴き上げる龍巻地獄など、色も表情もさまざま。主な7つの地獄をすべて回ると、2時間半ほどかかります。

地獄は見て楽しむ場所で、入浴はできません。湯に入るなら、町なかの共同浴場や旅館の温泉へ。『豊後国風土記』にも記されたという、古くからの湯の町を歩いてみましょう。

由布院・金鱗湖

由布岳のふもとの温泉地。秋冬の朝は湖面から霧が立つ

  • 行き方JR由布院駅から徒歩約20分
  • 季節通年(朝霧は例年秋〜冬の早朝。見られない日もある)

由布院は、由布岳のふもとに広がる温泉地。落ち着いた温泉街を、のんびり散策して楽しめます。

温泉街の奥にある金鱗湖は、1884年に儒学者の毛利空桑が、泳ぐ魚のうろこが夕日で金色に輝くのを見て名付けたといわれます。周囲は約400mの小さな湖で、湖の中には神社の鳥居が立っています。

湖の底からは、清水と温泉が湧き出しています。そのため秋から冬の冷えこんだ朝には、湖面から湯気が立ちのぼり、幻想的な朝霧に包まれます。気象条件によって見られない日もあります。

朝霧を見るなら、日の出前後の早い時間に出かけましょう。紅葉の季節には、湖面に映る木々も見どころです。

宇佐神宮

全国の八幡宮の総本宮。国宝の本殿と、二礼四拍手一礼

  • 行き方JR宇佐駅からバスで「宇佐八幡」下車、徒歩約6分
  • 季節通年

宇佐神宮は、全国に数万社ある八幡宮の総本宮。創建の時期には諸説ありますが、725年に今の場所に社殿を建てたと伝わります。

朱塗りの本殿は、2つの建物を前後につないだ「八幡造」と呼ばれる形で、国宝に指定されています。今の本殿は1863年に建てられました。

参拝の作法は、一般的な神社の「二礼二拍手一礼」ではなく、「二礼四拍手一礼」。境内の入り口にかかる屋根付きの呉橋は、10年に一度の勅使祭のときにだけ扉が開きます。

境内はとても広く、ひと回りすると1時間ほどかかります。歩きやすい靴で出かけましょう。宝物館では、国宝の孔雀文磬などを見られます。

別府と由布院へはJRで、宇佐神宮へはJR宇佐駅からバスで向かえます。家で大分を味わうなら、とり天を揚げてかぼすを搾り、関あじ・関さばの刺身を並べる、そんな食卓もおすすめです。

湯けむりの町と、潮にもまれた魚。大分は、温泉と食で心も体もほぐしたくなる土地です。

日本地図にもどる

参考にした情報