九州の南東部、太平洋に面した宮崎県。あたたかい気候と豊かな日差しに恵まれ、畜産や果物づくりが盛んです。高千穂をはじめ、日本の神話の舞台とされる場所も多く残ります。
ブランド牛の宮崎牛から、神話の峡谷・高千穂峡まで。宮崎を代表する名産と名所を3つずつ紹介します。
宮崎県の名産
宮崎牛
全国和牛能力共進会で内閣総理大臣賞を4大会連続で受賞
宮崎牛は、宮崎県で生まれ、県内で最も長く育てられた黒毛和種のうち、肉質等級が4等級以上のものだけが名乗れるブランド牛。2017年に国の地理的表示(GI)に登録されました。
宮崎県の肉用牛の飼養頭数は全国3位(農林水産省の資料、2025年)。1973年に、種牛を県で一元管理する「宮崎方式」を全国で初めて始め、1986年に「宮崎牛」のブランドが生まれました。
5年に一度開かれる「和牛のオリンピック」こと全国和牛能力共進会では、2007年から4大会続けて内閣総理大臣賞を受賞。これは、ほかのどの県も達成したことのない記録です。
特徴は、きめ細かいサシと、口に入れると広がるほのかな甘みと香り。ステーキやすき焼き、焼き肉で味わいましょう。お取り寄せやふるさと納税では、部位や用途を選んで、食べ方に合ったものを選ぶのがコツです。
完熟マンゴー
木の上で熟して自然に落ちる実を、ネットで受け止めて収穫
宮崎県は、マンゴーの収穫量が全国2位(農林水産省の資料、2023年)。ハウスで育てる、アーウィン種という赤い皮のマンゴーが中心です。
宮崎の完熟マンゴーは、木の上で完全に熟し、自然に落ちる実をネットで受け止めて収穫します。1985年にJA西都と数軒の農家が栽培を始め、1998年にブランドが生まれました。
なかでも、糖度15度以上、1玉350g以上などの厳しい基準をクリアしたものは「太陽のタマゴ」という名前で出荷されます。旬は5月から7月で、5月25日は「みやざきマンゴーの日」です。
とろけるような果肉と濃い甘さは、そのまま食べるのがいちばん。種を避けて三枚におろし、果肉に格子状の切れ目を入れて皮を押し出すと、きれいに盛り付けられます。贈り物やふるさと納税でも人気です。
チキン南蛮
揚げた鶏肉を甘酢にくぐらせ、タルタルソースをたっぷりと
チキン南蛮は、衣をつけて揚げた鶏肉を甘酢にくぐらせ、タルタルソースをかけた料理。宮崎県延岡市が発祥として知られ、農林水産省の「うちの郷土料理」でも紹介されています。
昭和30年代に、延岡市の洋食店のまかないとして生まれたとされます。最初は「鶏から揚げ甘酢漬け」と呼ばれ、のちにタルタルソースをかけるスタイルが広まりました。
鶏肉に小麦粉をまぶし、卵液をからめて揚げてから甘酢にひたすのがポイント。卵の衣に甘酢がよくしみこみます。延岡では、タルタルソースをかけるものと、甘酢だれだけのものの2つの系統があります。
ご飯がすすむ味で、定食やお弁当の定番。家で作るときは、甘酢にしっかりくぐらせてから、たっぷりのタルタルソースをかけて、宮崎の味を楽しみましょう。
宮崎県の名所
高千穂峡
柱のような岩の断崖と、落差約17mの真名井の滝
高千穂峡は、阿蘇山の噴火で流れ出た火砕流が冷えて固まり、それを五ヶ瀬川が削ってできた峡谷。柱のような岩が並ぶ断崖は、高いところで約100mあり、約7kmにわたって続きます。1934年に国の名勝・天然記念物に指定されました。
見どころは、落差約17mの真名井の滝。「日本の滝百選」にも選ばれています。岩の割れ目から流れ落ちる滝と、緑の水面がつくる景色は、高千穂峡を代表する眺めです。
貸しボートに乗ると、滝を間近に見上げられます。ボートはインターネットでの事前予約制(乗る日の2週間前から2日前の午前9時まで)で、点検や川の増水で休むこともあります。遊歩道は工事で一部通行止めの区間があり、混雑する日は臨時駐車場からシャトルバスが出ることもあります(2026年10月時点)。
ボートの予約や営業状況、遊歩道の工事の情報は、高千穂町観光協会のサイトで確認してから出かけましょう。
青島
「鬼の洗濯板」と呼ばれる岩に囲まれた、亜熱帯の植物の島
青島は、宮崎市の海岸に浮かぶ周囲860mの小さな島。島の中には、青島神社があります。
島のまわりには、波に洗われた岩が板のように並ぶ「鬼の洗濯板」が広がります。硬い砂岩と軟らかい泥岩が交互に重なった地層が隆起し、波に削られてできたもので、1934年に国の天然記念物に指定されました。
島には、ビロウなど熱帯・亜熱帯の植物27種が群生していて、国の特別天然記念物になっています。南国らしい木々に囲まれた参道を歩くと、旅の気分が高まります。
鬼の洗濯板を近くで見るなら、潮が引く干潮の時間がおすすめ。岩場は滑りやすいので、歩きやすい靴で出かけましょう。
鵜戸神宮
海に面した断崖の洞窟に、朱塗りの本殿がたたずむ神社
鵜戸神宮は、日南海岸の断崖にある洞窟の中に、朱塗りの本殿が建つ神社。豊玉姫が出産のために産屋を建てた場所と伝わります。鵜戸の一帯は国の名勝に指定されています。
名物は「運玉」。男性は左手、女性は右手で運玉を投げ、崖の下の霊石「亀石」のくぼみに入る、と願いがかなうといわれます。
洞窟の中には「お乳岩」と呼ばれる岩があり、子育ての言い伝えが残ります。それにちなんだ「お乳あめ」も知られています。
本殿へは、崖に沿った石段を下りていきます。バスの本数が少ないので、時刻表を確認してから出かけましょう。青島から日南海岸をドライブしながら訪ねるのもおすすめです。
青島と鵜戸神宮へは宮崎市から日南線やバスで、高千穂峡へは延岡からバスで向かえます。家で宮崎を味わうなら、宮崎牛のステーキとチキン南蛮を並べ、初夏には完熟マンゴーを取り寄せるのがおすすめです。
太陽の恵みと、神話の峡谷。宮崎は、明るい空の下で、のんびり旅をしたくなる土地です。